愛は、憎しみによく似ている
舞台は昭和初期の東京。
主人公・成嶋綾子は、浅草で甘味処を営む父と二人ぐらし。
ある時、見知らぬ弁護士事務所から届いた手紙によって
大富豪の遺産相続に関わる事に..........。
タイトルからして、ドロドロな愛憎劇っぽいな~って
感じですよね。
遺産相続にまつわる愛憎劇は、ちょっと使い古したネタ
って感じはするものの、大人のドラマとして
どんな感じかちょっと期待していました。
ザックリとした感想を述べると、まぁまぁ面白かったです。
攻略対象は4人。
相続が原因でお決まりの殺人事件が起こり、
サスペンスドラマの中で、翻弄されていくヒロインの
恋愛模様も織り込まれていますが、謎解きの方が
比重が大きく、またこちらの興味の大半も、そちらでした。
目パチ、口パチはないですが、デフォ呼びアリで、
表情変化もあり、動的な印象で悪く無かったです。
ただヒロインが、目に余るほどのオバカでもないし、
無茶やるタイプでも無かったのですが、思考傾向や
行動や発言には、共感できない面もあり、あまり
感情移入はできませんでした。
では、個別に、プレイ順に感想を。
蒲生龍彦 cv:鳩マン軍曹
まずは1周目、とても面白かったです。
遺言執行人である弁護士先生。
色々と謎めいていましたが、男くさくて
ちょっと粗野さもあり、ヒロイン・綾子を翻弄する、
悪徳弁護士そのものって雰囲気でしたが、
この人の正体に関しては、割と早い段階から
予想がついていました。
色々なヒントが小出しにされてきますが、
結局、結果は予想がついても、どういう経緯で
そうなってしまったのか?が最大の謎でもあり、
早く知りたいな~って気持ちに駆られましたね。
でもって、この人自身、綾子に対する態度がね.....、
気持ちは分かるけど、そのやりかたはマズイでしょ、
って思うばかりで。
逆効果よね、ああいう態度は。
生い立ちも含めて、哀れに思いましたが、
個人的には、それほど好みのタイプでは無かったです。
危険な香りがするけど、それほど危険では無かったわけで、
イイ男ではあったけど、ある意味、この手のドラマでは
王道なタイプだったように思います。
だからちょっと物足りない感?
佐伯潤一 cv:河村眞人
ヒロイン・綾子の双子の兄たちの親友であり、
幼馴染。医者をしている。
見るからに優し気で綺麗で、ステキな男性でした。
好みのタイプなので、最初で行くか悩みましたが、
弁護士さんの後で良かったかな、と思います。
弁護士さんの秘密を知り、弁護士さんのルートでの
潤一さんの姿を知ってる方が、より楽しめた気が
自分はしました。
どこまでも優しい潤一さんが見せる、狂気じみた危うさ。
本ルートでもバッドでも如実に現れていましたが、
弁護士ルートを踏まえた上でやってると、
どれだけ綾子が好きなんや、って感心する程。
献身的と言っても良いくらい。
そして、このルートを先にやっていると、潤一さんが
とても誠実で清廉潔白な人間のように思ってしまうでしょうから、
先じゃなくて良かったかも.....って、思うんですよねww
事件の真犯人への道筋も、なかなか面白かったです。
巽 cv:やじまのぼる
大富豪のボルネア諸島での孫で、遺産相続の件で危険にさらされる
綾子の従僕兼ボディガードとして遣わされた。
この人を屋敷へ帰らせてしまった為に
綾子は危険な目に遭い、事件に巻き込まれてしまい、
あの時に帰さなければ.....って後悔したわけですが、
その、帰さなかった場合のルートが、本ルートに当たります。
攻略制限がかかっていて、前2人攻略後に選択肢が
登場するようになっていました。
なかなか面白いルートでした。
血生臭い内容の前二人でしたが、ひたすらに忠実に
綾子に仕える、人畜無害で純粋無垢な印象の
褐色の肌に青い瞳の美男子..........。
潤一さんも、割と紳士的でお姫様のように大切に
してくれるタイプでしたが、こちらはさすがに
従僕として教育されてきていたからか、
その徹底ぶりがハンパなく、むしろ行き過ぎ感が
面白くて、ラブコメみたいでしたww
そして、ウットリさせてもくれて、
笑いと胸キュンとで、イイ感じに楽しめましたね。
短かったですけども。。。
松ヶ枝史弥 cv:佐和真中
相続人候補の一人で、帝大生の19歳。綾子より1つ下。
天使のような顔をしてるけど、中身はドス黒いだろ!
ってゲーム始める前から、なんとなく予想がついちゃいます。
話が話ですからね。
この人も巽と同じように攻略制限がかかっている人。
弁護士と潤一さんのルートで、この人が裏で関わってるだろう
って分かってしまってますが、具体的には、矢張り
ここまで来ないと分かりませんが、実際のところ、
思っていた程の酷さではなかったのが、ちょっと残念。
お話も短かったですし。
もう少し掘り下げて欲しかったですね。
あと、ビジュアルが年齢より若すぎに見える所がちょっと。。。
本編でも少年呼ばわりされてましたが、19歳の大学生なら、
もう少年ではなく青年でしょう。時代的にも。
見た目は少年ですけど。
女の子みたいで可愛らしですが、後半、急に顔が変わります。
ちょっとビックリしました。本性が現れて?
服装も学生服じゃなく私服になり、私はそちらの方が
好みでした。
もう少し、この人の狂気っぽさが色濃く出てくれたらなぁ、、
と思う物足りさでした。
と言うことで、全体としては面白かったのですが、
一番ボリュームを感じたのは、矢張り弁護士・蒲生先生でしょうか。
この人の人生がメインなんだろうな~って思います。
そして、幼馴染で昔からずっと綾子を好いていた潤一の、
可哀そうに思うほどの一途な恋情と.....。
他二人は、真相を補足するのと、サービスでついた
付録っぽい印象が否めないほど、短くて浅かったです。
なので、攻略人数が4人ってだけでも少なめだと
思ってたのに、そのうちの2人が内容が短いので、
正直とっても物足りないし、お値段が高いと思いますね。
付録でドラマCDがついてますが、ゲーム内でのExtraでは、
特にフルコンプ特典も無ければ、後日談的なものも無いし、
あっという間に終わって、呆気ない感じでした。
性描写は、各人の性癖に個性があって、割と面白かったかな。
ただ、こちらもアッサリな感じでしたね。
ドロドロしたドラマの割に、ねちっこさが無かったので、
物足りなく感じる人が多いかもしれません。
自分的にはイチ推しは、潤一さんかな。
雰囲気的にも好みだし、他の人のルートで失恋する様子を
見るにつけ、胸キュンです.....(^▽^;)
寂しそうで切なそうな様子が、なんともそそられるんですよね。
次点が巽.....。予想外にツボでした。
史弥は、大好きな佐和さんだったのもあって
それなりに期待してただけに、物足りなくて残念でした。
声のトーンも高くて、少年ぽさを強調されてた感じだし。
蒲生弁護士は、複雑です。
本人ルート以外では、まさに悪徳弁護士って感じで。
あとは、攻略さんではないですが、重要なポジションに
いた、双子の兄の一人である、廉次さん。
ダークな魅力でしたね。非常に後ろ暗い想いを抱えて、
危険な匂いがプンプン。。。
おまけで、個別ルートにして欲しかったくらい。
遺産相続をめぐる争いを基盤にした愛憎劇。
それなりに楽しめたと思います。