narico555のブログ

乙女ゲームの感想や声優さん、アニメなどの話題が中心です。

ふるえ、ゆらゆらと 上弦の章

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http://asring.1000.tv/huruyura/

 

平安時代のお話。

人に触れると肌に痛みを感じる少女・かぐやが

ある晩、平安時代にタイムスリップ。

安倍晴明の屋敷で世話になる事に。

けれども、なぜか突然攫われて……。

 

公式サイトでの内容や、出演声優さんなどで

購入を決めたのですが、自分が思っていたのとは

大分違いました。

人に直接触れられると肌に痛みを感じる。

そのせいで、誰ともスキンシップが取れない上、

みなしごだったようで養子にしてくれた義両親からも

その体質を理解されずに憎まれ続けてきた為、

かなり卑屈になってしまっている主人公。。。

そういう背景があるから仕方ないのかもしれないけれど、

ヒロインはとにかく陰鬱です。

そんなヒロイン中心に回っていくから、話の内容も陰鬱。

生きる屍と晴明に言われ、幸せに生きる為に変わるよう

言われるものの、どうすれば良いのかはサッパリです。

そう言われたのもあるせいか、彼女は感情のまま行動するけれど、

それはそれは、もう呆れるような内容で。

そして、晴明は彼女を「愚かな娘」「莫迦な娘」と

その行動を非難するし、彼女の言動を「許さない」と

言いながら、「それを選択するなら勝手にするがよい」と

あっさりしてたりして、話の展開の仕方が分かりにくかったです。

晴明とのやり取りなんて、まるで禅問答か?と思うほど、

分かりにくかった。

あちこちに色々と伏線を張ってるんだろうと分かるけど、

あまり効果的だったようには思えません。

 

次の満月の晩に帰すとの事でしたが、その満月の晩が来ても

結局は帰れる状況に無くて、また次の満月まで引き延ばし。

その間に、男は呪いで狂っていくのですが、原因も過程も

みんな同じなせいか、3人しかいないのに、攻略相手が

進む度に、またかよ、コレ……って食傷気味に。

だって、これがエグイんですよ。

平安時代の朝廷は、確かにドロドロとした場所でしたが、

それにしても凄かった。

特にBadエンドは醜悪に感じました。

エンディングは、頼光と保昌が4つで空也が何故か3つ。

で、Goodと思われるのは1つのみで、他はBad。。。

Badは自分的には本当に嫌でしたね。どれも。ゲンナリでした。

Goodは、その酷いBadと釣り合い取れる程の良いエンドなのか?

……ちょっと微妙。。。重たいBadが3つもあって、

中途半端なGoodが1つって、なんだかなぁ~って感じです。

しかも終わり方がね。終わった後、エンドロールにならない。

BadもGoodも同じなので、感動ってものが全然湧いてこず。

なんか、あっけないような終わり方でした。

見せ方に工夫が足りない気がしました。

話の流れも、妙に凝った言葉を使う割には、

誤字脱字がチラホラ……で、文章表現も文法的に変な箇所や

言い回しがよく分からない所などあって、雑な印象。

あらすじ的には良いと思うものの、全体としてのシナリオは

冗長的な部分が散見し、要らないのでは?と思うシーンもあり、

その反面で説明不足や強引な展開など、独善的でわかりにくいと

感じました。

システム面では、個々の設定ができるのは良かったものの、

各キャラのセリフの文字色が違う設定になっていて、

個別のカラーに合った色に設定されていて、それはそれで

面白いな、とは思ったのですが、文字に色が付いていると

既読と思ってしまうのがね……。これはもう、普段からの

習慣みたいなものですし、この色に関しては設定で変えられるので

問題無いと言えばそうなんですけどね。

で、ヒロインだけ白なんですよねぇ…。攻略キャラ以外は

全部白なので、却って紛らわしい感じがしましたね。。。

あと、声が、攻略キャラと次回攻略キャラとサブの1人だけで

他は声が無い……。モブは一切声がない。

結構な出番のある、他のキャラ達が文字だけなのは、

イマイチでしたね。緊張感に欠けた気が。

怖い人たちいっぱいいるのに、文字だけ。

あった方が良かったと思います。

 

以下、プレイ順に個別感想を。

 

f:id:narico555:20170624163804j:plain 源頼光 cv:土門熱

源とあるように、武門の棟梁ですね。

歴史的には酒呑童子を退治した事で有名な人ですが。

今回も、その辺の歴史的な背景を踏まえた上での

お話づくりになっているようで、かなり創作されてますが、

貴族でありながら上級貴族には逆らえないって所を

強調された内容でした。

キャラとしては、人間味に溢れて、優しく男らしく

いい人でした。それに情熱的。

なので、前半はとても良かったと思います。

けれど後半がね……。

とは言え、前半の良い人ぶりが後半の狂気へ落ちる姿を

一層悲劇的に感じさせたのかも……と思わなくもないです。

ただ、悲しかった。この人が狂気に堕ちていく様が。

それでも、他の二人と比べれば、この人が一番マシだった気も。

 

f:id:narico555:20170624164605j:plain 藤原保昌 cv:谷根千

宮中の最高権力者である左大臣におもねっている中級貴族。

いつも微笑んでいるが、作られたような微笑。

この人はもう、人でなしと呼んで良いでしょう。

ほんとに悪い人でした。どうしようもないです。

最初にやった頼光の時から、この人、絶対に裏がある、

絶対に何か企んでる良くない人だって思ってました。

この時代の野心を持った典型的な貴族って感じです。

ツンデレなんて生易しいものじゃなく、どこまで言っても

酷くって、Goodエンドですら、ハッピー感が乏しかった。

SMの世界か?って思うほどでしたよ。

こういうの、好きな人は好きなのかもしれませんが、

私には受け入れがたかったです。

綺麗だし、物腰も柔らかいけれど、優しい言葉や態度には

絶対に裏がありそうなのに、莫迦なヒロインは簡単に

好きになっちゃって、だまされたと気づいても、

結局、好き……。理解しがたかったです。

意地悪されても、虐められても、好きであることを

やめられないって姿は、もう理解不能と言うか

全く共感できず。正直、凄く不快で、進めるのが苦痛でした。

 

f:id:narico555:20170624165455j:plain 空也 cv:まつたけ弥太郎

人里離れた場所に住む、かぐやの兄と名乗る不思議な少年

……まずは名前に???? なんで、このような名前にしたのでしょう。

だって、有名な僧侶なのに、いいの?って思っちゃう。

宗教家に対して冒涜的なキャラと内容に思えるし。

頼光も保昌も実在の人物だし、このシナリオの内容からすると、

実在の空也は全く関係ないと思われ……。

他に該当する人物、何人か思い当たるだけに、不思議でした。

着衣は一応、僧侶っぽいようですが、出家しているわけでもなし。

まぁ、それは置いておくとして。

可哀想な人でした。本当に哀れでしたね。

頼光と保昌は、このお話の主軸と言うか謎みたいな事件に

直接は関係していない、いわば周辺人物的な存在でしたが、

空也は当事者とも言える立場の人物だったせいか、

物語の核心部分が大分明かされたような内容で、

そのあたりは興味深かったのですが、あまりに哀れで。

それに、性の部分が、どうも……。悪趣味な気がしましたね。

そこは保昌の時も思いましたけど。

空也自身は見た目も綺麗だし、心もピュア。

それだけに、汚されていく様が可哀想で。

登場人物たちの中で一番、同情しました。

逆にヒロインは、自業自得としか思えない行動ばかりで

どのルートでも全く共感できず。。。

 

という訳で。

何とも言えないゲームでした。

ドロドロ好きには、たまらないかもしれません。

背景などは、シンプルながら当時の趣は現れていて

悪くは無かったですが、ストーリーの運びは

分かりにくかったり強引だったりで、

置いてけぼり感がありました。

性描写は、もうドロドロ……。Badが多くて、長くって、

悪趣味な内容だったから段々と嫌な気持ちになってしまいましたね。

それを払拭させてくれるようなGoodエンドだったら

後味感は良かっただろうと思うのに、なんか

めでたしめでたし、良かったね~\(^o^)/って感じに

全然させてくれなかったのが、なんとも不満でしょうか。

正直な所、下弦の章は予約はしてあるけど、取り消そうかなと

半ば思うほどの、内容だったと思います。

全く面白くない、と言うわけでもないのですが、

純粋に楽しめたとも言えなくて。

興味を持って話を進めることはできたけれど、

後半になるほど、止めたくなる気持ちも生じてきて。

ただ、発表の段階から、下弦の章の晴明と早浪に

興味があったし、上弦をやって、やっぱり下弦の二人の

内容が余計に気になるので、予約は取り消さずに

やってみようと思います。。。

結局、期待外れになりそうな予感が無いとも言えない

微妙な心持ではありますが……(-_-;)

 

それにしても。

ヒロインのかぐやは、極度に内向的な性格は別として、

物を知らな過ぎですね。

平安時代の事、詳しく無くても、学校で『源氏物語』や

枕草子』、ちょっとはやってるでしょうに。

しっかり勉強してなくても、ある程度は知ってる筈なのに

知らな過ぎかと。

平安時代が好きな人とか、古典文学好きな人だったら、

このお話の裏、説明なくても分かると思います。

左大臣中宮や帝が、どの人なのか。

頼光や保昌、保輔兄弟の事なども。。。

年齢設定的には、相関関係的に史実と合ってないですけど。

ここ最近、読んだ本がこの時代の小説で数本集中してたのもあり、

そのギャップと言う点では、面白かったかな、なんて……(;^_^A

 

攻略順は、頼光→保昌→空也がオススメです。

これが一番、分かりやすくシックリくるかと。

 

現時点での評価は、2.8/5   くらいで。

3を付けたい所ではありますが、雑さが目立ったので。

下弦をやってみて、どう変わるのか、上がる事を期待してます。